政府広報を「正しく」理解しましょう~
今日は4月1日。私が通勤でつかっている篠ノ井線にも何人かフレッシュマンくんと思しき若者たちも乗っていました。
その電車でみつけました。電車の中吊り広告。
みなさんは見ましたか?
もしかしたら「消費税は医療・年金・介護・子育ての制度をこれからも持続させていくためには、生活が厳しくなるけれど、皆で負担を分かち合わなければいけない。そのためには今回の消費税増税はやむを得ない」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
広告には「今回の消費税率引き上げ分は全て医療・年金などにあてられます」と書いてあります。
国民側は増税分の5兆円のうち全てが「新たに」社会保障費に充てられると考えます(素直に読めばそう読めるのですが)が、しかし、そうではないのです。たしかに消費税増税分は社会保障費に充てられるのですが、逆にこれまで他の税収から充てていた社会保障費は削られてしまっているのです。5兆円のうち4兆2千億円は他の税収から置き換えを行うだけのことなのです。しかも増税分のうち2千億円は増税による物価上昇で消えてしまいます。
巧妙な広告は、読み手(国民)の「期待」と書き手(政府)の「狙い」に大きな食い違いを発生させているのです。
政府はこのような広報を新聞折り込み、テレビCMなどでも行い12億円もの税金を使いました。
もちろん、今回の増税では医療・社会保障の充実を願う国民の期待は大きく裏切られることは確実です。